言語化力の鍛え方|一人でできる練習とお題20
頭の中では分かっているのに、口に出すとうまく言えない。言語化力は才能ではなく、声に出した回数で伸びる力です。この記事では、言語化力とは何かを5つの要素に分けたうえで、一人でできる3つの練習方法と、そのまま使えるお題20個を紹介します。

言語化力とは
言語化力とは、頭の中にある考えを、その場で整理し、相手に伝わる形に変えて、自分の言葉で出す力です。言葉をどれだけ知っているか(語彙力)とは別で、知っている言葉を、必要なときに、伝わる順番で出せるかどうかの力です。
書く場面と話す場面のどちらにも関わる力ですが、この記事では、会議や1on1で困ることの多い「話す」場面に絞って紹介します。
ひとことで「言語化力」と言っても、つまずくところは人によって違います。コトミアでは、次の5つに分けて見ています。
| 要素 | 見ていること |
|---|---|
| 明確化 | 結論・立場がはっきり伝わるか。最初の一言で「何を言いたいか」が分かるか |
| 構造化 | 主張→理由→例→結論、と話の骨格が通っているか。脱線せず筋が見えるか |
| 根拠化 | 「なぜそう言えるのか」の理由があり、それが結論を支えているか |
| 具体化 | 例・場面・数字で主張を裏づけられるか。抽象論で終わっていないか |
| 簡潔化 | 一文が長すぎず、前置きや言い直しがなく、聞きやすいか |
全部を一度に直そうとしなくて大丈夫です。自分がどこでつまずいているかが分かれば、練習することは1つに絞れます。
言語化が苦手になる3つの理由
頭の中では「分かったつもり」になっている
考えているときは、言葉にならないまま「なんとなく分かった」状態で先に進めてしまいます。声に出して初めて、つながっていなかった部分や、ぴったりの言葉がない部分に気づきます。
書くより、話すほうが難しい
書くときは、消して並べ替える時間があります。話すときはその場で順番を決めなければいけないので、整理が追いつかず、思いついた順に話してしまいます。
声に出す練習の量が足りない
言語化の本を読んで、型を知ったところで止まってしまうことはよくあります。泳ぎ方を読んでも泳げないのと同じで、その場で言葉にする力は、実際に話してみないと身につきません。
鍛え方の基本:話す → 聞き返す → 別のお題で使う
練習の流れは、どの方法でも同じです。
ポイントは、一度に直すのは1つだけにすることです。「結論を先に言う」「理由を1つに絞る」のように、1回の練習で意識するのは1つの型だけにします。
一人でできる3つの練習
練習1:1日1問、30秒で答える
意見が分かれるお題を1つ選び、3秒で答えを決めて、30秒で話します。最初の1文を「私は〇〇だと思います」で始めるだけで、話の筋が通りやすくなります。
- お題を1つ選ぶこのあとのお題20から選んでかまいません
- 3秒で答えを決める仮の答えでいい。迷ったら、少しでも近いほうを選ぶ
- スマホで録音しながら30秒話す最初の1文は「私は〇〇だと思います」
- 最初の1文だけ聞き返す答えになっていたかどうかだけを確かめる
詳しいやり方は「会議で急に振られても話せる「結論ファースト」の練習法」で紹介しています。
練習2:今日あったことを話す
1日の終わりに「今日はどんな1日だったか」を1分ほど話します。お題に答えるより、自分の出来事のほうが言いたいことがはっきりあるので、「ぴったりの言葉が出てこない」に気づきやすいのが利点です。
話すときは、次の順番を意識すると筋のある話になります。
- 何があったか(出来事)
- どう感じたか(気持ち)
- なぜそう感じたのか(理由)
人に何かを説明するときの組み立てそのものなので、仕事での報告や相談の練習にもなります。
練習3:「たとえば」と「つまり」を往復する
話が抽象的なまま終わる人は「たとえば」を、具体的な話だけで終わる人は「つまり」を足す練習をします。
チームの連携をもっと良くしたいと思っています。コミュニケーションが大事なので。
チームの連携をもっと良くしたいです。たとえば、週1回15分だけ全員の進捗を共有する時間を作る。つまり、困っている人に早く気づける状態にしたいんです。
「たとえば」で具体的な場面を1つ足し、「つまり」で自分の意見に戻ります。抽象的な主張だけでも、具体例だけでも伝わりにくいので、両方をそろえるのがねらいです。
今日から使える練習のお題20
答えが1つに決まらない、意見が分かれるお題が練習に向いています。同じお題は繰り返さず、毎日別のお題で試してください。
仕事のお題
- 会議は少人数と大人数、どちらが良い?
- リモートワークと出社、どちらが成果が出る?
- 新人にまず任せるべき仕事は何?
- チャットの返信は速いほうが良い?
- 仕事で一番大事な能力を1つ挙げるなら?
- 上司に求めることを1つ挙げるなら?
- 残業が減らない一番の理由は?
- 副業は会社にとってプラスかマイナスか?
日常のお題
- 最近買ってよかったものと、その理由は?
- 休日は予定を入れる派?入れない派?
- 朝型と夜型、どちらが得をする?
- 人に勧めたい本や映画を1つ紹介するなら?
- 一人旅と誰かとの旅行、どちらが好き?
- 10年前の自分に1つだけ伝えるなら?
意見が分かれるお題
- AIに文章を書かせるのは、ずるいことか?
- SNSは人を幸せにしているか?
- 学生のうちに一番やっておくべきことは?
- 「空気を読む」は必要な力か?
- 転職は何年目までにするのが良い?
- 「好きなことを仕事に」はするべきか?
上達したかを確かめるチェックリスト
録音を聞き返すときは、次の5つを順に確かめます。上の5つの要素に対応しています。
- 最初の1文で、答えを言っているか(明確化)
- 話の順番が、結論→理由→例になっているか(構造化)
- 理由が、結論を本当に支えているか(根拠化)
- 「たとえば」で具体的な場面を1つ入れているか(具体化)
- 「えっと」や言い直しが多すぎないか(簡潔化)
全部に◯が付く必要はありません。前回より1つ◯が増えていれば、練習はうまくいっています。
よくある質問
書いて練習するのではだめ?
書く練習も役に立ちますが、書くときは考え直す時間があります。会議や1on1で困るのは「その場で」言葉にする場面なので、声に出す練習を中心にしたほうが本番に近づきます。
どれくらい続ければ変わる?
期間は人によって違うので、日数ではなく「別のお題でも使えたか」で判断してください。たとえば結論ファーストなら、意識しなくても最初の1文で答えられる日が続いたら、次の型に進む目安です。
本を読むだけでは身につかない?
型を知るには本が役立ちます。ただ、知っている型と、その場で使える型は別物です。読んだ内容は、その日のうちに1回声に出して使ってみてください。
お題に声で答えると、5つの力でフィードバックが返ってきます
コトミアは、自分で言語化する力を鍛えるトレーニングアプリです。毎日のお題に声で答えると、話し方と中身の両面からフィードバックが返ってきます。今日あったことを話す日記も、保存は無料で使えます。
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